WiFiは「飛んでいる」のではなく「届いている」

WiFiは飛ばない——電波が届かない・繋がらないときの原因と対策

動画が止まる、Zoomが固まる——そんな症状が続いたある日、ふと気づきました。自宅のルーターがすべて5年以上前の機種だったことに。買い替えを機に、WiFiにまつわる「思い込み」と最新事情を整理してみます。

「WiFiが飛んでいる」は正確ではない

スクールでよく耳にする言葉があります。「うちはWiFiが飛んでるから大丈夫ですよね?」というものです。

正確には、WiFiは飛んでいません。「電波が届いている」という表現が正しく、WiFi自体がどこかへ移動するわけではありません。この認識の違いを知っておくだけで、接続トラブルの原因に早く気づけるようになります。

「飛んでいる」思い込みが生む問題

状況思い込み現実
部屋の隅でWiFiが繋がらない飛んでいるから大丈夫なはず動画が止まる・仕事が止まる

電波には距離・障害物・干渉という三つの壁があります。壁一枚で電波強度は大きく落ち、電子レンジの動作で接続が途切れることもあります。カタログ記載の「○○畳対応」は障害物なしの理想環境での数値です。現実の住まいには壁も家具も人もいます。

今のルーターはここまで進化している

買い替えて実感したのが、最新規格の性能向上です。現在の主流は以下の3つです。

規格特徴向いている環境
WiFi 6高速・多端末接続に強い。現在の主流スマホ・タブレットが多い家庭
WiFi 6E6GHz帯追加で干渉に強い速度と安定性を両立したい方
WiFi 7WiFi 6Eの最大3倍の速度。次世代の本命動画編集など高負荷な用途・将来を見据えたい方

メッシュWiFiと中継器の違い

「中継器と何が違うの?」という質問をよく受けます。中継器は電波を受け取って再送信するため、速度低下が避けられません。

一方メッシュWiFiは、複数のルーターがチームとして連携します。部屋を移動しながらZoom会議を続けても、接続が途切れずに自動で最適な電波へ切り替わります。「移動のたびに繋ぎ直しているんです」という相談には、まずメッシュWiFiをおすすめしています。

戸建てはどちらを選ぶべきか

WiFi 7対応の高性能ルーターであれば、一般的な二階建てでも1台でカバーできるケースが増えています。まず1台試して、届かない場所があれば子機を追加するのが現実的な選択です。

対策は「正しく知る」こと

カタログの「○○畳対応」はあくまで障害物なし・理想環境での数値です。現実の家には壁あり、家具あり、家族あり。「なんか遅い気がする」と感じたら、まずルーターの使用年数を確認してみてください。5年以上経過しているなら、そろそろ買い替えのタイミングかもしれません。

実は家中にLANケーブルが走っている

2007年に自宅を建てた際、マルチメディア配線で全部屋に有線LANを引きました。当時はWiFiルーターの性能がまだ発展途上で、「有線が最強」という時代でした。どの部屋でも有線LANが使えるよう、壁の中にケーブルが張り巡らされています。

ところがスマートフォンが普及してWiFiルーターを導入した途端、デスクトップPC以外は誰も有線を使わなくなりました。壁の中のLANケーブルは今日も静かに出番を待っています。

SSIDは自由に名前を変えられる

WiFiルーターのSSID(無線LANネットワークの識別名)は自由に変更できます。当校では教室のルーター3台にそれぞれ名前をつけて管理しています。

自宅のルーターを新設した際に周辺のSSIDを確認したところ、「応仁のLAN」「大塩平八郎のLAN」「殿ごLAN心」といったセンスあふれる名前が並んでいました。気になる方はぜひご自身のSSIDも見直してみてください。

なお、WiFi 7対応の高性能ルーターについては次回のブログで詳しくご紹介する予定です。

自宅でもスクールでも、安定したネット環境は学びの土台です。「なんとなく繋がっている」から「正しく届いている」への意識の切り替えが、快適なデジタル環境への第一歩になります。