心に寄り添う試験会場

星1口コミから猛省したMOS試験会場スタッフが、受験生に寄り添う対応を学ぶイラスト

先日、MOS試験の運営でスタッフ一同が深く考えさせられる出来事がありました。今日は、その体験から学んだ「正しい対応」と「心に寄り添う対応」の違いについて書かせてください。

※ この記事はAmebloの記事「【試験会場の裏話】星1口コミから猛省した「正しさ」より大切なこと」を加筆・再編集したものです。元記事もあわせてご覧いただくと、より詳しい経緯をお読みいただけます。

「100%正しい対応」が裏目に出た日

3日前の日曜日、22歳の男性がMOS試験の受験にご来場されました。

MOS試験を受験するには、事前にご自身で「サーティポートID」を取得していただく必要があります。試験前にスタッフがIDを確認したところ、「姓・名」の欄に本名のあとに「○○ちゅん」というニックネームがバッチリ入力されていたのです。

しかも、IDが2つ取得されており、どちらにも同じ状態で登録されていました。

⚠️ なぜこれが問題なのか

MOS試験の合格証書や結果レポートには、登録された名前がそのまま印刷されます。一度登録した氏名・生年月日の訂正はできないため、ニックネームのまま合格すると、就職活動や会社への提出時に公的な資格証明書として使えなくなる場合があります。

しかも今回は企業負担の受験料。受験生の今後を守るため、私はその場で2つの選択肢をご提案しました。

  1. このまま受験し、次回別科目の受験時に正しいIDで受験→後日オデッセイサポートへ「本名ID」との統合申請を出す方法
  2. 今この場で、正しい本名IDを取り直す方法

お客様は「2.のIDを取り直す」を選ばれ、手続きが完了するまでお待ちいただきました。同時受験の他のお客様にも少しお待ちいただく形になりました。試験自体は滞りなく無事に終了。「100%の対応ができた」と安堵していました。

翌日、Googleに「星1・行く価値なし」

ところが翌日、当教室のGoogle口コミを見て”あ然”としました。

「行く価値なし、対応に不満」という星1つの投稿がされていたのです。

状況から見て、昨日の受験生の方の書き込みであることは間違いありません。丁重にお詫びの返信をしました。

13年間MOS試験会場の運営をしてきて、初めての経験です。正直、最初はショックで悔しい気持ちもありました。資格を守るためにベストな提案をしたつもりで、対応に落ち度はなかったと思っていたから。

でも——

「こちらが100%正しい対応をした」と思っていても、受け取る側の感情によって180度違って見えてしまう——

これが接客・サービスの本当の難しさだと痛感しました。

私たちに足りなかったもの

22歳の男性にとって、その場面はどれほど居心地が悪かったか。公共の場で自分のニックネームが発覚し、それを指摘され、さらに「自分のせいで他の受験生を待たせている」という状況が40分以上続いたのです。

その「気まずさ・恥ずかしさ」が、当会場への「不満」に変わってしまった。試験官という“上から目線・おごり”が態度に出ていたのかもしれません。

反省点は「お客様のプライドや気まずさへの配慮」が足りなかった点です。

今後の改善策:会場として徹底すること

① 個別対応の徹底

名前や登録の不備が見つかった際は、周囲に聞こえないよう別席へ誘導し、低い声でデリケートにお伝えする。

② 周囲へのアナウンスの工夫

他のお客様をお待たせする際は「○○様の対応のため」とは絶対に言わず、「ただいまシステムの最終確認を行っております」と、お店側の都合として伝えることで、受験者ご本人に余計なプレッシャーを与えないようにする。

受験前に知っておきたい:サーティポートID登録の注意点

今回の件をきっかけに、当会場では受験申込み時の案内を見直しました。同じトラブルに遭わないよう、MOS試験を初めて受験される方へ、ID登録時の注意点をまとめておきます。

📋 サーティポートID登録チェックリスト

✅ 「名(ファーストネーム)」「姓(ラストネーム)」の欄には本名のみ入力する

✅ 「ミドルネーム」の欄はニックネームを入れる欄ではないため原則空欄にする

✅ IDはひとり1つだけ取得する(複数取得すると管理が複雑になる)

✅ 登録後は氏名・生年月日の変更ができないため、入力内容を必ず確認してから登録する

✅ 不安な場合は、受験当日より前に会場スタッフへ確認を依頼する

当会場では今後、受験申込み確認メールにもこのチェックリストを同封し、当日のトラブルをゼロにすることを目標にしています。

まとめ:「正しさ」だけでは足りない

ルールを守るだけでなく、お客様の「心」に寄り添った運営ができてこそ、本当の意味で”良い試験会場”と言えると改めて学ばされました。

「正しさで殴るな」「お客様の恥を包み込む器があってこそ、私たちはプロの試験会場です」

苦い経験でしたが、気づきを与えてくれた受験生の方には感謝しています。これからも全ての受験生が「安心して、気持ちよく実力を発揮できる会場」を目指して、日々精進してまいります!